こんにちは!
今回は、カウンセリングやコーチングを受けた人にたまに起きることとその理由を、ボクのこれまでの経験からお話しします。
あの日に帰りたくなる人たち
相談相手をしていると、一定のタイミングで揺り戻しを起こす人がいます。
揺り戻しとは、相談相手が明るく前向きに進んでいたはずが、急にネガティブになったり、癇癪を起こしたり、連絡がなかなか取れなくなったりして、相談前の状態に戻ろうとすることを指します。
場合によっては、子供のように泣いてしまう人もいます。
理由は大きく分けて、2つあります。
心理的な理由
一つは、カウンセリングやコーチングを受ける前の生活環境に戻ろうとする無意識の心理的な働きです。
目指す方向が見えなくてモヤモヤしていた日々や、人間関係などで精神的に辛かった時期は、当事者は1日も早く抜け出したい不快な環境のはずですよね。
でも、そんな不快なはずの環境も、気づけば慣れ親しんだ場所になっているものなんですよ。
言うなれば、『汚部屋だけど勝手知ったる世界』というイメージでしょうか?
一方で、目指したい自分にとって心地よいはずの環境は、
言うなれば『転校したばかりで、まだ友達が一人もいない教室』というイメージでしょうか?
転校してもすぐに馴染むことができる人と、人見知りでしばらく辛い気持ちを味わう人がいますよね?
そんな感覚に近いのですが、カウンセリングやコーチングを受けて、いざ不快な環境から心地よいはずの環境に飛び込んだことで明らかに事態が好転しても、環境の変化の大きさに戸惑ってしまう人がいるんですよ。
そうすると、人によっては『グチャグチャにゴミが溢れているけど、自分だけにはどこに何が置いてあるかが分かっている汚部屋』に戻りたくなっちゃうんですよね。
当然、そうなってしまった人も冷静になれば、そんなところに戻るなんて馬鹿げていると気づくのですが。
実力的な理由
もう一つは、新たな挑戦をしてみたものの苦戦してつまずいたときです。
簡単に言ってしまえば、実力不足だった時です。
知識や経験が足りなすぎて、思うようにいかない状態ですね。
ボクも会社員時代に部下を指導した時に経験したのですが、実力不足が原因で揺り戻しが起きる人は思いのほか多いと思います。
会社員時代は、この実力不足パターンに悩まされました。
実力不足なのですから、本人に何が足りていないのかを指摘し勉強してもらえば解決するようなことが多いわけです。
でも、会社という場所は毎年計画を達成することが求められますから、部下や周囲の人が成長するまでのんびりと待つ時間は想像以上に足りません。
そうなると、指導する側も焦りが出てきますから、どうしても指示がキツイものになります。
しかし、それでも部下の成長が追いつかない場合は、残り時間を逆算し、自分の仕事をこなしつつ、部下の仕事にも手を出すことになります。
この場合、年間計画は達成できても部下は自信を失い実力もつかないため、翌年も厳しい仕事になるのは間違いありません。
蛇足ですが、会社の目標管理シートなどの制度は管理者を追い込みパワハラが起きる一因になっていると思います。
実力不足を解消する方法
この経験から、ボクはこう思ったんですよ。
「会社という場所は、人が成長する場所ではない」と。
やはり、何らかの成長を望むのであれば、スポーツ選手や研究者は例外ですが、社外で学ぶ機会を探したほうがいいです。
まずは、仕事を定時に終わらせるところから始めます。
そして、知識量を増やしたいと思うなら、可能であれば大学の図書館で社会人も利用できるところを見つけるといいです。
wifiが使えるブックカフェのような場所もいいと思います。
コミュニケーションや企画力を磨きたいなら、勉強会やイベントを企画しているグループにボランティアで参加させてもらうのも手です。
どんなことでもいいですが、現在残業やパチンコなどで浪費してしまっている時間(=命)を、毎日1時間だけ勉強に使えば、1年後にはどれだけ経験値や知識が増えていることか!
それどころか、早い人では3ヶ月後には自分の物の見方が変わってきているのを実感するでしょう。
そうやって、会社という実践の場で勉強したことを試し、失敗したらその部分を社外で勉強し直し、また会社で試す、ということを繰り返すしか実力不足の壁を乗り越える方法はありません。
実は、なんでもうまく進めているように見える人も、実際には同じことをしているんですよね。
ただ、本人には努力している気がまるでないだけなんですよ。
それでも信頼する
ちなみにボクは、相談者が揺り戻しを起こした時は、相談者が乗り越えられることを信じて、たまにアドバイスをしながら見守ることにしています。
信じることも、ものすごく精神力がいることだということも実感しつつ。
一度、一歩を踏み出せた人は、そう簡単に負けないものです。