やっぱり時代は変わったんですよ。
どれくらい変わったのかを実感するには、現在と過去の時代背景と生活する人たちの姿を比較するとよくわかります。
今回は、喫茶店で群れになって若者の生き方に毒づいているご年配の方々に、こっそりと耳打ちしたい、
『バブル時代と令和時代の生き方はこんなに違う』
というお話をしたいと思います。
- バブル時代はみんなケミカルウォッシュを履いていたよね
- バブル旅 フランス梅干し 優越感
- バブル時代は国民全員で演じられる舞台があった
- バブル崩壊は劇団が解散したようなもの
- バブルが崩壊してお金が幸せのすべてではなくなった
- いま幸せそうに生きている人の特徴は?
- ぼくの考える『令和時代』の幸せ
バブル時代はみんなケミカルウォッシュを履いていたよね
まず、現在40代半ばのボクがまだ中学生だった30年前の世間ってどんなんだったかな?
ということを語りたいと思います。
まあまあ、どうでもいいなんて言わず、少しお付き合いください。
30年前というのは、いわゆるバブル時代の終盤だったんですよ。
ちなみにバブル時代というのは、一般的に1986年から1991年までと言われています。
1987年の流行ファッションのところにケミカルウォッシュジーンズが書いてありますが、当時は本当にみんなジーンズといえばケミカルウォッシュをはいていましたよね。
しかも、足首に向かって細くなっているやつ。
ケミカルウォッシュジーンズって、当時の流行後はオタクがはいているダサいパンツの代名詞みたいになっていたけど、1987年ごろは本当にケミカルウォッシュ以外のジーンズを履いている人がいなかったくらい、大流行していたのを覚えています。
バブル旅 フランス梅干し 優越感
その頃のテレビ番組で覚えているのって、いかにも成金といった感じの年配夫婦が旅先のフランスで一流のレストランに入って料理を食べている最中、旦那が奥さんに「梅干しを出せ」って命令して、その梅干しをレストランのシェフの眼の前で食べながら、「やっぱり日本人は梅干しだよなあ!」って踏ん反り返っている映像です。
アイドルは、みんな裏声でキャピキャピとぶりっ子しているのが当たり前で、好きな食べ物を聞かれたときは、イチゴかケーキと答えるのがテンプレートでした。
そんな映像がテレビから流れ続けたあの頃、庶民はどうだったかというと、ほとんどの人はバブルの恩恵なんて受けていませんでした。
と言いたいところですが、現在の世の中と比べると多くの人はそこそこの贅沢ができていたんですから、やっぱりバブルの恩恵を受けた人は多かったんだと思います。
何より、総中流社会がほぼ実現できていたんですよね。
時代はいわゆる「イケイケムード」で、日本全体が疑うことなくさらに裕福になると信じていたんです。
がんばればがんばるほど裕福になると、本気で信じていたから、
『24時間戦えますか?』
と高らかと歌う曲も、何の批判もなく大ヒットしました。
ちなみに、このリゲインのCMソング『勇気のしるし』が発売された年が1989年です。
バブル時代は国民全員で演じられる舞台があった
日本中が高揚感に包まれる中、テレビ番組は東京のバブルで狂った人たちを当たり前の姿のように流し続け、それを観た地方に住む人までワンレンボディコン、DCブランドに身を包んで街を歩いていました。
あと、漫画の美味しんぼってあるじゃないですか。
最近、アニメがAbemaTVなどで放送されているので懐かしくて観てしまうのですが、究極のメニュー対至高のメニューを中心に、美味しいものを食べながらうんちくを語りまくるのですが、そのうんちくは極上のフランス料理や高級ワインから、うなぎの焼き方、チャーハンを炒める時は炎の主人になれ、アイスクリームの美味しさの秘密を比較するために居合斬りを使うなど、料理を味わうための斬新なアイディアや知識を教えてくれます。
他にもグルメ漫画は色々とありましたが、その影響か、子どもから大人までみんな何処かで食通ぶっていた気がします。
その他にも、以下のような風潮がありました。
いい大学を卒業していい企業に入れば一生安泰
という幻想が当時の子育て世代にはリアルに感じられて、教育ママのお受験戦争が全国各地で勃発していました。
実際に、現在でも大学まで卒業するのが当たり前の風潮がありますが、その流れはバブル時代から急激に強くなっていったんですよね。
イタ飯
当時はイタリアンのことをイタ飯って言っていたんですよ。
イタ飯がトレンドだと聞けば、みんなピザにスパゲッティーを食べに行ったものです。
ワイハー
あ、もちろんハワイのことね。
正月休みはワイハーで過ごすのがトレンドと聞けば、みんなハワイへ行こうとしたんですよ。
つまり何が言いたいかというと、
30年前の世の中は、国民全員がお金持ちキャラクターを演じていたんです。
言うなれば、日本中がバブルという宗教に洗脳されていたんです。
高度経済成長とバブルが、働けば働くほど収入が増え、自らを世界中から集まった高級ブランドで着飾り、美食に耽ることこそ幸せだという、「24時間働けますか?」なんていうコピーがまかり通るような舞台を用意していました。
みんなが、バブル教の世界で周りの人より遅れを取るまいと一生懸命イケている人を演じていた姿は、同級生の多くがブルーハーツやジュンスカイウォーカーズを聴いている中で筋肉少女帯やたまを好んで聴いていたぼくには、なんだか別世界に感じて居心地が悪い日々だったのを覚えています。
バブル崩壊は劇団が解散したようなもの
そんなバブル教も崩壊し、不景気、というよりは低収入社会が30年間続く間に、低収入の世の中しか知らない世代も生まれましたよね。
その30年間、どんな世の中だったかと改めて考えると、
バブル後は国民全員で演じる舞台のない世の中だったのではないでしょうか?
現在も、インスタ映えのするスイーツやナイトプールなんていうものが流行ってはいますが、短期間の流行のようなものではなく、中長期で国民が同じ方向を目指して動いていくような大きな流れのようなものはありませんでした。
有り体に言ってしまえば、国民全員で見られる夢がない世の中でした。
バブルが崩壊してお金が幸せのすべてではなくなった
そんな世の中が、バブルが崩壊してから10年、20年と続くうちに、お金以外の部分で個々が幸せになる方法が作られてきた結果が現在の世の中です。
バブル崩壊のトラウマもなく、好景気を一度も知らない世代が中心になって、自分たちが楽しくなる自分なりの方法を平和な世の中を土台にして作り上げたんです。
そこにタイミングよく、ツイッターやインスタグラムなどのツールが一般的なものになったことで彼らの作り上げた楽しさが世界中に拡散され、バブルの頃とは違う部分で日本はまた憧れられる存在になったんですよね。
とはいえ、中学生からOLに至るまで、みんながきゃりーぱみゅぱみゅみたいなファッションをしているわけではないし、どれだけ健康を煽っても「ライザップに行ってないやつはイケてないよねー」という空気を作るのは、簡単にはできなくなりました。
ちなみに、ケミカルウォッシュジーンズは2011年ごろから復活してきていますが、ダメージジーンズとともに若い子がはいている姿を街で見かけても、バブルのころのように街中のどこを見てもケミカルウォッシュ、というような状況にはなっていないですよね。
好みが細分化されて、バブルのころのようにメディアがプッシュしたものに無条件で飛びつくのではなく、みんな自分で選択するのが当たり前になったんでしょうね。
いま幸せそうに生きている人の特徴は?
そこで、改めて現在幸せに生きられている人の特徴を考えてみましょう。
それは、自分を偽らず、自分の好きなことを表現できる場所を見つけられた人。
ではないでしょうか。
もう、みんなで演じなければならない舞台はなくなったのですから、みんな自分らしく生きていいんですよね。
じゃあ、自分らしくってなんだろう?
と考えると、まずは自分の好きなことを知っていること。
そして、
周りの目を気にせず自分の好きを表現できる場所にいること。
ではないでしょうか?
ぼくの知り合いにも、自動車でしかいけないような田舎に移住して楽しく暮らしている人がいます。
好きな作品制作にたくさんの時間を使いたいから、就職せずに必要最低限の稼ぎで生活しているアーティストもいます。
そういう人たちと話していると、
「自分がお金を稼ぐのは、何を目的にしているんだろう?」
と考えてしまうんですよね。
ぼくの考える『令和時代』の幸せ
もう、みんなと一緒が幸せだと感じられる世の中は終わったんですね。
そして、
お金を稼ぐ目的はなんなのか?
仕事って、何を目的にすることなのか?
ということが問われる時代になってきたんだと思います。
そして、みんなと一緒が幸せ
ではなく、
みんなと一緒に幸せ
を模索して実現していく。
それが、ポスト平成時代。
つまり令和時代なんでしょうね。
ただ、『みんなと一緒に幸せ』を実現するためには、利己的な生き方から利他的な生き方にシフトしていかないと難しいのですが、それって現在は使い古されて失われてしまったように見える、『お互いさま』の気持ちと似た姿勢なのかもしれないですね。
そう考えると、令和時代の幸せは真新しいものというより、日本人が持っていた文化の進化したものなのかもしれないですね。
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